笑顔相続®を実現するためにエンディングノートの活用を!
『笑顔相続®』という言葉はご存知でしょうか?
この言葉は一般社団法人相続診断協会の代表理事である小川実氏が作られた造語ですが、全国に4万6千人近くいる相続診断士は、この『笑顔相続®』を広めるため日々活動をしています。筆者もその相続診断士の一人で全国相続診断士会の会長を務めています。
笑顔で相続を迎えられるよう家族の絆を深め、生前に家族に想いを伝えることが『笑顔相続®』なのですが、生前に想いを伝えるためにはエンディングノートの活用と想いを実現するためには遺言の作成をお勧めしています。
ただ、この『笑顔相続®』簡単ではないのが現状です。
私は相続コンサルの仕事を始めて14年経ちますが、『エンディングノート』を広めようと
14年前はある真言宗のお寺さんに協力していただき、檀家さん向けに6回でエンディングノートを書くという講座を行っていました。
当初は『エンディングノート』という言葉さえ一般の方には知られておらず、「縁起の悪い名前だ」といわれることが多かったため家族の縁が続くノートという意味で『縁ディングノート』と言い換えていました。
その後、2011年頃から『エンディングノート』という言葉は広まっていきましたが、やはり、書きたい・書こうという方は少なかったように感じています。
それは現在も変わってないように思います。
私が開催した『エンディングノートの書き方セミナー』の最年少受講者は10歳で、ある小学校の夏休みの自由研究としてやらせたいただいたことがあります。
こう話すと、「え??小学生がエンディングノート??一体何を書くの?というか、小学生には早すぎるでしょう!」といわれることがあります。
皆さんもそう感じたのではないでしょうか?
では、『エンディングノート』とは何なのでしょうか?
亡くなることを前提に高齢となってから書くものでしょうか?
答えは《NO》です。
私が監修したエンディングノート【終活・相続の便利帖】を例にとってまずは構成からご説明しましょう。
☑自分自身の情報(名前・生年月日・本籍地・血液型など)
☑今までの自分の人生を振り返る自分史
☑家系図や相続人関係図など我が家のこと
☑配偶者や子についての家族のこと
☑もしものときに家族に伝えておきたい自分自身の取扱説明書
☑遺言など相続発生時に伝えておきたいこと
☑大切な家族へのメッセージ
ざくっとこんな構成になっています。
小学生に向けて開催した際には、父母や祖父母など親族と一緒に参加してもらい、
まずは自分の名前の由来や名前を付けてくれた人は誰かについて、一緒に参加した親族に質問しながら書いてもらいました。
また、継いでおきたい家庭の味のレシピを教えてもらったり、父母や祖父母が小学生の時にはどんな子どもだったかについて質問してそれを書いてもらいました。
毎回とても盛況で、エンディングノートのイメージが変わったとか孫がお墓参りをしたいと言い出し嬉しかったなどの感想をいただきました。
どうですか?
皆さんの中でエンディングノートのイメージは少し変わりましたか?
私が監修したエンディングノート【終活・相続の便利帖】は、一人一冊用意して家族と一緒に書きましょうとお勧めしています。
自分の名前の由来や自分が大切にしていること、してきたこと、継いでおきたい家庭の味やご先祖様のことを家族でわいわい言いながら書いてくださいね!とお伝えしています。
書きたいところから書いていいし、書きたくないページは飛ばしてもOK。
皆さん自身が大切な家族に是非知っておいて欲しいことを皆さん自身がいなくなってしまっても家族の中に生き続けていくようにという願いを込めて監修しています。
エンディングノートというと、どうしても自分亡きあとのことを家族に遺すためのもので気が重いと言われる方が多いのですが、財産のページなんかは通帳や固定資産税の通知書のコピーを挟んで、ここの銀行に口座があるからね!土地はここ!と分かるようにさえしておけばいいと思っています。
それよりもむしろ、皆さん亡きあとも皆さんの大切な家族が笑顔で暮らし続け、笑顔で「ありがとう」と皆さんのお墓参りをしてくれるためのアイテムにして欲しいのです。
遺すものは財産だけですか?
家族に遺すのは皆さんが生きてきた証である『家族への想い』こそが大切ではないでしょうか?
その先に、大切な家族が争うことのない『笑顔相続』が実現できると信じています。
まずは、エンディングノートを家族みんなで書くところから始めてみてください。
(文責:一橋香織)
【終活・相続の便利帖】(日本法令)
https://www.amazon.co.jp/dp/453972942X
一般社団法人相続診断協会
https://souzokushindan.com/